二千年以上の歴史を刻む古都セゴビア。モルタルを一切使わず築かれた壮大なローマ水道橋は今なお堂々とそびえ立ち、ゴシック様式の大聖堂は荘厳で優雅な佇まいを見せる。そして、まるで童話の世界から抜け出してきたかのようなアルカサルが、丘の斜面に悠然と佇んでいる。一つひとつの煉瓦、一つひとつの石に、イベリア半島の悠久にして重厚な歳月が刻まれている。夕陽がゆっくりと西の彼方へ沈み、斜めから差し込む光が古都の空を照らす。月の影は静かに追いかけるように進み、やがて眩い太陽を少しずつ覆っていく。わずか約一分間の皆既食の瞬間、古都全体が、淡く静謐な茶金色の光に包まれる。通りや路地では、人々が一斉に空を見上げ、歓声を上げながら、この一瞬にして永遠ともいえる自然の奇跡を見届ける。